だあすう日記

初めまして。まったり生きてます。

創作小説

嘘告彼氏と振られる彼女 (創作小説) 4日目

高校一年 8月 夏休み下旬 告白してはや数日。俺は晴れて彼女持ちの男子高校生になった。 この時の俺はまだ心のどこかで、チハルを好きになる可能性があるかもしれないと思っていた。彼女に嘘告をした罪悪感をどうにかしてごまかしたかったのだろう。 だが「…

嘘告彼氏と振られる彼女 (創作小説) 3日目

告白の瞬間 俺はそれまで抱いていた緊張感がチハルに対する好意から来たものではないことに気が付いてしまった。 「彼女を異性として見られない」 その事実から目を逸らすためだけに、嘘の告白をしてしまったのだ。 合宿のあの日から、俺はチハルの視線が苦…

嘘告彼氏と振られる彼女 (創作小説) 2日目

高校一年 8月上旬 夏休み前半 「コウスケってチハルのこと好きなの?」 「えっ」 急に振られた質問に対して、思わず動揺の声を漏らしてしまった。 俺、上田コウスケはいま高校初めての夏合宿に参加している。吹奏楽部の一部員として。 中学からずっとトロン…

嘘告彼氏と振られる彼女 (創作小説) 1日目

高校一年 8月 夏休み中旬 「付き合ってください⋯」 俯きながら、たどたどしい口調で放ったその言葉に驚いたのは、自分だった。 俺は全く意中にもない相手に告白をしてしまったことに気づく。 顔を照り付ける夏の夕日。道路を走る車のエンジン音。湿気の多い…